« 【新聞掲載紹介】葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の変更についての要望書がマスコミ各社で報道されました | トップページ | 「野鳥・Tokyo」カワウと人が共存できる日を夢見てNPO法人バードリサーチ加藤ななえさん »

身近な生物多様性の宝庫、葛西臨海公園の抱える問題とは? ~自然を守るために知ってもらいたいこと~

 今年のロンドンオリンピック・パラリンピックでは日本の活躍が光り、注目度の高い大会になりました。東京都はこの勢いも追い風にして、2020年オリンピック・パラリンピック開催地として立候補をしています。

 そして東京都が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した資料によりますと、葛西臨海公園の西側にカヌー(スラローム)競技場を建設する計画になっているのです。

 日本野鳥の会東京では、このことを問題視しています。

2016_2
競技場イメージ(国際オリンピック委員会資料より抜粋)<クリックで拡大します。>

 カヌー競技場は、オリンピック終了後もカヌーやラフティングの施設として残す計画になっています。その結果、公園内の鳥類園・水族園・大観覧車・ホテルシーサイド江戸川などの施設を除く、面積の約半分がカヌーの競技場施設になってしまいます。

 カヌーと言うと水平面を漕ぐ競技と思われがちですが、いわゆる「激流下り」で落差のある巨大なコンクリート河川施設に大量の水を流して行うものです。


参考映像サイト YouTube lee valley white water centre(2012年ロンドンオリンピック会場)激流の様子を映像で見ることができます

 さらに観客収容人数が1万2千人規模という大観客席が予定されており、これは、日本武道館のアリーナ部分を含んだ収容人数1万1千人を超えるもので、日本武道館を「ひらき」にしたより大きな観客席が西なぎさ付近に出現することになります。

 これによって、公園の環境と景観は大きく変わってしまうと危機感を強くしているのです。

2016ge_2
競技場建設予定地(google Earthより引用改変)


葛西臨海公園2020年東京オリンピックカヌースラローム競技場予定地(google Map)リンク先で葛西臨海公園の全容と予定地の対比がわかります。

 公園の歴史を紐解くと、現在公園のある場所は、「三枚洲」という広大な干潟で知られていました。アサリやノリの獲れる良い漁場が昭和の高度成長期に埋め立てられました。

 そうしてできた土地に、自然とふれあう公園をテーマとして、鳥類園や水族館、そして今回カヌー(スラローム)競技場予定地の森林、湿地エリアなどが整備されてきたという経緯があります。

6_2

 小鳥が集まる通称「クロジ谷」周辺※競技場建設予定地内です

 開園23年を迎えて、土壌も植生も豊かになり、海・池・湿地・草原・林など連続した変化ある環境に恵まれ、多様な生態系が形成されています。

 月例探鳥会では、以前は観察されなかった森林性のシジュウカラやコゲラの観察回数が多くなってきています。また、春や秋の渡りの時期には、オオルリやキビタキなど渡り鳥の中継地として立ち寄り、都民が身近に自然を楽しめる重要な緑地となっています。

 観客席によって高さ9mもの巨大な「壁」ができると、公園から海の景色が眺められなくなり、海と親しむ公園の価値が下がってしまいます。オリンピック招致の条件の一つに「地元住民の支持率」がありますが、樹木が伐採され、自然とのふれあいができなくなる開発を行うオリンピックに、都区民の支持は集まるでしょうか?

 当初の目的であるオリンピック招致を目指すためにも、このような自然破壊を行う必要のない場所に、競技施設を設けるべきだと、日本野鳥の会東京では考えています。

9

 休日には多くの家族連れが利用する「汐風の広場」※競技場建設予定地内です

 「保護問題とか難しい話はちょっと…」と思われるかもしれませんが、現地でお話しを聞いていただくことで、より身近な問題として関心を持っていただけるかと思います。

 今まで野鳥を観察するだけだった方も、保護問題について一緒に考えてみませんか?

<参考>


2012.09【新聞掲載紹介】葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の変更についての要望書がマスコミ各社で報道されました


2012.08.都立葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の変更についての要望書を東京都知事と東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会に提出しました


2012.06.葛西臨海公園オリンピックカヌー競技場建設計画再浮上について 都内有数の野鳥生息地・葛西臨海公園を守ろう

また、


9月23日(日)月例葛西臨海公園+Young探鳥会【2020年東京オリンピックカヌー競技場建設問題を知ってみよう!】

を開催して、広く内容をお知らせすることにしています。

尚、月例葛西臨海公園探鳥会を毎月第四日曜日に開催しておりますので、今回ご参加が難しいい場合でも、次回以降の日程でご検討頂ければ幸いです。

上記以外にも多数のイベントをおこなっております。

入会すると毎月会報「ユリカモメ」が届き、イベントや保護、研究、観察、その他の活動の詳細を読む事ができます。

→日本野鳥の会東京に「入会案内資料」の請求をする

ぜひ入会もご検討ください。

|

« 【新聞掲載紹介】葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の変更についての要望書がマスコミ各社で報道されました | トップページ | 「野鳥・Tokyo」カワウと人が共存できる日を夢見てNPO法人バードリサーチ加藤ななえさん »

「0..トピックス」カテゴリの記事

5..保護活動」カテゴリの記事

5.1..【葛西問題】」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/207350/55678241

この記事へのトラックバック一覧です: 身近な生物多様性の宝庫、葛西臨海公園の抱える問題とは? ~自然を守るために知ってもらいたいこと~:

« 【新聞掲載紹介】葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の変更についての要望書がマスコミ各社で報道されました | トップページ | 「野鳥・Tokyo」カワウと人が共存できる日を夢見てNPO法人バードリサーチ加藤ななえさん »