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猪瀬直樹東京都知事に都立葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の 計画変更を求める要望書を提出

2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に東京は立候補をしていますが、その「競技会場プラン」の中に、2016年のプランと同様に、葛西臨海公園内における、カヌー(スラローム)競技場建設計画があります。
葛西臨海公園は都内有数の野鳥生息地です。
日本野鳥の会東京では、東京での開催が確定してしまう前の段階で対応すべきと考え、公益財団法人日本野鳥の会と連名で、建設計画の変更を求める要望書を、東京都知事に提出いたしました。

20130220

都知事宛に要望書を提出

日鳥東-第17号

平成25220

東京都知事  猪瀬 直樹  殿

       日本野鳥の会東京 代表 川沢 祥三

       〒160-0022東京都新宿区新宿5-18-16新宿伊藤ビル3F

    Tel: 03-5273-5141   Fax: 03-5273-5142

    公益財団法人日本野鳥の会  理事長 佐藤 仁志

    〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル

    Tel: 03-5436-2620   Fax: 03-5436-2635

都立葛西臨海公園での2020年東京オリンピックカヌー競技場建設の計画変更を求める要望書

 

東京都および東京2020オリンピック招致委員会が先にIOCに提出された立候補ファイルによると、江戸川区の葛西臨海公園西側一帯にカヌースラローム競技場が建設されることになっています。このカヌー競技場は、オリンピック終了後もカヌーやラフティングの施設として残す計画となっており、その結果、同公園の鳥類園・水族園・大観覧車・ホテルシーサイド江戸川などを除く地域の約半分が競技場施設になってしまいます。
 私たちはオリンピックの東京招致自体に反対するものではありません。

しかし、この件に関して、多くの都民が当建設計画の内容や問題点を知らないこと、また、葛西臨海公園建設の経過、新しい自然生態系の形成や保全を目指して整備されてきた経緯などからも、この公園の環境改変については十分に配慮して頂く必要があります。

猪瀬知事には、ぜひ葛西臨海公園の現地を視察され、その自然環境の貴重さを実感していただくことを望みます。

以上をふまえて、当会は以下の理由により葛西臨海公園へのカヌー競技場建設に反対し、都や区の遊休地など、別の適した場所へ建設されるよう計画変更を求めます。

 

  〔建設予定地の変更を求める理由〕

 

1.競技場建設予定地の豊かな自然環境を破壊する

葛西臨海公園は開園から24年を経過し、土壌も植生も豊かになり、海・池・湿地・草原・林など変化ある環境に恵まれ、多様な生態系が形成されています。

建設予定地である公園西側だけに限っても、地元「葛西東渚・鳥類園友の会」の今迄の観察によると、山野に生息する鳥類76種、昆虫140種、クモ80種、樹木91種、野草132種を記録しています。

また、トラツグミ、チョウトンボ、コガネグモ、ウラギクなど東京23区では絶滅危惧種に指定されている生物26種も確認しています。

さらに、葛西臨海公園の多様な生態系は、遠浅の海、干潟、汽水・淡水の池、草原、樹林帯などが連続して一体となった環境だからこそ成立するものです。

そのような豊かな環境の同公園で、もし、公園西側の自然環境が消失すれば、その影響が公園全体の生態系に及ぶことは避けられません。

競技施設の建設により、このような都内屈指の自然環境が破壊され、豊かな生物多様性が失われるのを私たちは看過することはできません。

 

2.都区民のかけがえのない憩いの場・自然との触れ合いの場が消滅する

葛西臨海公園には昨年(平成24)313万人もの利用者が訪れています。

建設予定地である公園西側は、人々が海を見下ろしながらくつろげる地域です。家族で食事が楽しめるバーベキュー広場や、コンサートや江戸川よさこいmyフェスタなどのイベントが行われる汐風の広場、松林や池・谷筋の散歩道、桜並木の中を通るサイクリングロードなどがあり、野鳥の数や種類も豊富な中、たくさんの人が野鳥観察を楽しんでいます。

今回の計画どおりカヌースラローム競技場が建設されると、これらの場所の全域または一部が利用できなくなります。

さらに、高さ79m、長さ400mのコンクリートのコースは海風をさえぎり、公園からは海が見えず、なぎさ側からは樹林帯が見えなくなるなど、臨海・海浜公園としての優れた特徴が失われてしまいます。

以上の理由から、カヌースラローム競技施設を同公園内に建設することは、都区民のかけがえのない憩いの場や豊かな自然と触れ合う場を奪うことになり、多くの都民の納得を得られるものではありません。

 

3.都内には他に適した候補地が存在する

葛西臨海公園は、上記1、2に示したように豊かな自然環境が育ち、都民、区民、地元住民にとってかけがえのない場所となっています。

一方、カヌー競技場は、たとえば中央防波堤埋立地内の未利用地や、湾岸の未利用地などに建設されても、機能的な面や交通の便などから葛西臨海公園に劣るものとは思われません。 

その意味で、人々が身近で日常的に自然と触れ合うことのできる葛西臨海公園の環境を敢えて壊してしまうことにより被る損失に比べれば、他場所に建設することによる問題が、より大きなものとは思えません。

以上

<参考>

2012.09.身近な生物多様性の宝庫、葛西臨海公園の抱える問題とは? ~自然を守るために知ってもらいたいこと~

2012.08.都立葛西臨海公園での2020年東京オリンピ
ックカヌー競技場建設の変更についての要望書を東京都知事と東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会に提出しました

2012.06.葛西臨海公園オリンピックカヌー競技場建設計画再浮上について 都内有数の野鳥生息地・葛西臨海公園を守ろう

尚、月例葛西臨海公園探鳥会毎月第四日曜日に開催しておりますので、次回以降の日程でご検討頂ければ幸いです。

上記以外にも多数のイベントをおこなっております。

入会すると毎月会報「ユリカモメ」が届き、イベントや保護、研究、観察、その他の活動の詳細を読む事ができます。

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ぜひ入会もご検討ください。

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